不安なくして成長なし
不安なくして成長なし。
成長を目指す人は、その過程で生ずる種々の不安を解消して、自信をもって事に取り組めるようになることを目指しがちだが、それは大間違いだ。
不安のなかに身を置いて、甚だ不足を感じながらも努力する姿勢が、末永く続いてこそ、成長できる。
「こうすれば完璧だ。これでいいんだ。これで間違いない」と自信を持ってみても、不安は無くなるかもしれないが、成長は見込めない。成長を目指す人にとっては、あくまで成長が目的なのであって、不安をなくすことは目的ではない。
成長を目指す人は、自身の無力を自覚しなければならない。何事も本質的に、自分の思い通りにはいかないようになっているのだという認識で生活しなければならない。生涯、自信をもってはいけない。何をするにも不安のなかで生きていく覚悟をしなければならない。
そして、「効果があるかどうかは分からないし、これでうまくいくとはとても思えないけれど、せめてこれくらいはやっておかなければ話にならないだろう」というどん底の気持ちで努力を積み重ねてこそ、成長できる。
お気付きの通り、この文章もメタ的な読み方をすべきであって、この文章を読んで内容を把握したからといって、成長の秘訣が分かったという自信をもってはいけない。依然として成長できないかもしれない。
成長できるかどうか分からない不安は、生涯続く。しかし、成長を目指しているのなら、それでいい。
(以下メモ欄)
交感神経と副交感神経の使い分け。安堵感に包まれた身体状態では、休息には適しているが、ものごとを進めるモチベーションは出ない。緊張感に包まれた身体状態では、休息はできないが、ものごとを進めるモチベーションが出る。モチベーションを出したいなら、(適度に)そわそわしている必要がありそうだ。ひとくちに不安といっても、それが脳内の想像にすぎず、身体状態に表れていないのであれば、成長の糧にはならない。