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「添うする」の謎

古い(紙の)書籍を読んでいたら、

……寛容な御諒承を添うした。

という表現に出会った。

 

文脈的に、有難くもご諒承を頂くことができました、といった意味であることが推測できたが、「添うした」の読み方が分からなかった。

国語辞典・漢和辞典にあたっても、分からなかった。

そこで、「添うする」をGoogleで検索してみた結果、古い文書をPDF化したいくつかのファイルがヒットした。以下はその検索結果を表示した画面のスクリーンショットである。

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上記3つの検索結果の概要を見る限りでは、2つは「御指導を添うする」という形で「添うする」が用いられている。残り1つは「……意を添うする」とあって、いまいち用法が分からない。

そこで、実際にPDFファイルを閲覧してみることにした。

該当箇所のスクリーンショットは、以下の通りである。

 

写真1*1

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写真2*2

f:id:usiblog:20180424202240p:plain

 

写真3*3

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以上のとおり、実際の文書に書かれていたのは、「添」ではなく「忝」であった。

おそらく、PDF上の文字を、コンピュータが誤って認識した結果であろう(筆者が接した紙の書籍は、誤植または著者の誤用と推察される)。

そして、あらためて「忝うする」を調べると、これは「かたじけのうする」と読み、おそれ多くも…していただく、という意味の言葉であった*4

こうして、「添うする」の謎が解決をみたのである。面倒でも原典にあたることの大切さを痛感した。

ネット上に直接的なヒントがなく、調査に手間がかかったことから、ブログとして投稿した次第である。

*1:児玉信次郎「喜多先生を憶う」浪速大学学報 故総長追悼号(1952年)6頁、http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/bitstream/10466/9638/1/2009100416.pdf

*2:教区時報13号(1963年)1頁、http://www.kyoto.catholic.jp/new/backno/013.pdf

*3:呉文炳「追憶文 故財部先生の追憶」經濟論叢51巻2号(1940年)110頁、https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/131418/1/eca0512_243.pdf

*4:松村明〔編〕『大辞林〔第3版〕』(三省堂、2006年)479頁。