「内的思考作業」と「外部向け整形作業」の区別について。
アイデアや意見などをまとめて外部に発表したり、絵や曲を作って公表したりというように、なにかクリエイティブな仕事をする際には、その成果を外部(つまり他人)に発表するという場面がつきものだ。
だからこそ、「こんなことを発表しては大恥だ」とか、「もっと伝わりやすい構成にしないとダメだ」というような考えが出てくる。
もちろん、不適切な表現を避けたり、より伝わりやすくする工夫をすることは大切だ。しかし、それは、書きたいものを書き、作りたいものを作り、描きたいものを描いた後に、仕上げとしてやれば十分だ、ということを強く言いたい。
間違っても、「これは書いちゃいけないんだ」「こんなものを作ろうとしてはダメなんだ」というように、自分の内的な思考の場に、外的な制約を持ち込むことだけは、やってはいけない。
内的な思考作業を、外部向けの整形作業と同時にやると、ロクなことはないんだ。これをやってしまうと、両者の作業が互いに干渉しあって、結果として、万人受けするような、当たり障りのない内容しか作れないか、下手をすると手が止まる(経験則)。万人受けを目指すべきは、形式や体裁のほうであって、内容ではないはずなのに。
だから、まずは内的な思考作業を、何を書いても/作っても/描いても 構わないような、外的制約のない自由な場で行い、次に、そこでできたものを、外部向けに整形して発表する、というように、両作業を区別して、別の手順として行うことを推奨したい。